社内向けWebサービス開発のススメ
社内向けWebサービス「ニコニコプロデュース」
例えば、コードレビューをしている時に誰かが鋭いツッコミを入れてくれた時。
例えば、社内のチャットで、ふと誰かが名言を書き込んだ時。
そんな「もっと評価されるべき」を、「評価」する手段が欲しい。
そんな思いから、社内向け Web サービス「ニコニコプロデュース」を作りました。
画面はこんな感じです。
使い方は簡単で、「だれうま」とか「GJ」とか思ったらポイントをあげる。それだけです。もらったポイントの使い道は特にありません。
こんな感じで、趣味としてちょこちょこ社内向けサービスを作ったり、簡単なツールを作ったりしているので、その魅力について語りたいと思います。
作っている間
なにせ自分で1から企画して自分で全て実装するので、作っている間はとても楽しいです。
「こういうページがあってー、こういう UI でポイントをつけれてー・・・あ、ユーザー認証はどうしようかな。えーい、社内グループウェアの情報を使うか。あとはランキングも欲しいなー」
みたいな感じで悶々と想像しつつ、要件定義書も設計書も無しで、簡単な1枚のメモを元に、ガンガンコードを書いていきます。何を作ればいいかは自分が知っているし、どう作るかも即断即決です。
また、趣味の開発なので、色々と実験的な試みができます。例えば、仕事で使った事のないフレームワークを採用してみたり、いっそ言語を変えてみたり、とにかくやってみたい事を全部つめこみます。
例として、上に書いたニコニコプロデュースでは、試しに PHP のマイクロフレームワークである「Limonade」を使ってみたり、作っている最中に Twitter 社から発表された「Bootstrap」をすぐに採用してみたり、やりたい放題しました。これがまた楽しい。
僕は開発も好きですが、使いやすい UI を考えるのも好きなので、コードを書くのと同じぐらい CSS の調整にも時間を掛けます。普段の仕事では出来ない事です。「ぼくがかんがえた最強のUI」を実現できるとドーパミンがドパドパします。
自由に作れるのは楽しい!
公開
そんなこんなで、ひと通り機能ができたら、ついに公開してみます。
僕の場合、社内チャットで「こんなんできたよー」と URL を貼ってみんなの反応を見ます。
この時点で「Webサービス企業に勤めていて」「社内チャットに参加している」というフィルタリングが掛かっているので、みんなリテラシが高く、すぐにサービスの意図を汲み取ってくれ、使い始めてくれます。
みんなが使い始めた様子がわかり、さらに、チャットで反応や感想が即座に返ってくるので、ドパドパが止まりません。まさにヘヴン状態。
さらには、口コミでどんどん社内の利用者が広がっていき、活発にやりとりが行われるようになります。そうなってくると、例えば「誰かからポイントをもらったらすぐに知りたい」といった要望が出てきます。
すると僕は、待ってましたとばかりにすぐに実装します。誰かがポイントをあげたら、社内チャット (IRC) にボットを書き込むようにしてみました。すると、僕に対してポイントが振られるのです。
作るのも楽しいですが、やっぱり使ってもらうのが一番楽しい!
その後
今では、ニコニコプロデュースはそれなりに定着し、僕の周りでは「ポイントあげとくねww」「10ポインツ!」などのやりとりが行われるようになっています。
想定していなかった使われ方もされ始めました。例えば、インフルエンザで休んだ人にみんなが「お大事に」とポイントをあげたり、「○○さんが変態発言をしたので」とワッフルワッフルしたくなるようなコメント付きのポイントをあげたり。
さらには、週に1度の定例会議でポイントランキングが発表され、1位の人を祝う新たな習慣まで出来てしまいました。この辺りは、弊社特有のノリもあると思いますがw
終わりに
自分で作ったサービスによってユーザーの間で新たなコミュニケーションが生まれる。考えてもいないような楽しみ方をしてくれる。
これらは一般のユーザー向けに提供する大規模 Web サービスでも強烈に味わう事ができます。僕は入社以来、この快感の虜になっていて、次の機能を作る原動力になっています。
社内向けのサービスというのは、この大規模 Web サービスの縮図に他なりません。会社という小さく閉じたサークルで公開するからこそ、反応がよりダイレクトに伝わり、身近な人たちを喜ばせる楽しみを味わう事ができます。
プログラミングが趣味の方も、そうでない方も、騙されたと思って、一度社内向け Web サービスを作ってみてはいかがでしょうか。きっと「ハマる」と思います。